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「すばる館」ハイテク化への道
〜お絵描きソフトがやってきた〜

 以前、私は「すばる館の出来るまで」で「当分ローテクを目指す」と書いた。それは私の経済力ではとうていお絵描きソフトは入手できないと思っていたからだ。
 しかし!ついにその日はやって来た。さなぎから美しい蝶が羽化するように、すばる館もハイテク化する時がやってきたのだ!(しかしセンスが良くなるわけではないので劇的な変化は望めない…)。
 ここでは、お絵描きソフト入手から、ある程度使えるようになるまでの苦難の道を追ってみたい。

STEP1 入手
 2000年7月も終わりの日曜のことだ。その日は同人イベントがあったので、PROMIメンバーが(全員ではないが)顔を合わせた。そして、紫瀬さんとこのみから「はい、3ヶ月遅れたけど、誕生日プレゼント」と私はもらいものをした。紫瀬さんからはカエルの一家のぬいぐるみ(布の模様が大変いい感じで可愛いの。去年タイ土産にもらったニシキヘビのぬいぐるみの姉妹品と思われる)と、師匠・平沢進のサイン(うきゃ!「すばるへ」って宛名入りだ!思わず喜びの踊りを捧げる)。このみからはHPの文書を読んで絵を描く紙くらいもうちょっといいのを使いなさい、と「ポストカード用紙」と…お絵描きソフトだ!うっひぇ〜〜〜っと飛びあがって感動する私。代わりに「一生下僕になって」と言わなかったこのみは凄い。しかも、そのお絵描きソフトはドローソフトとペイントソフトのダブルだったのだ。凄いでしょ。

STEP2 起動
 丁度学校の夏休み期間で私の仕事は1年で2番目に忙しいだろうという時期だった。貧乏暇なしでこの時期はほぼ毎日14時間労働くらいになる(スマンね、これでも普段労働時間が短いから大変重労働に感じてしまうのだよ)。が、職場は自宅なのでわずかの空き時間で色々やりくりできるという利点がある。というわけで、入手から数日後、やや時間が空いたのを見計らってドローソフト・ペイントソフトともにインストールする。もちろん新しいソフトをインストールした途端にパソがいかれる恐怖を考慮して消えたら怖いファイルは一通りCDRWにバックアップをとった上でインストールした。が、特に劇的な事件も起こらずインストール無事終了。ここで時間がなくなり再起動でファイルの存在は確認したものの、ソフトの起動はおあずけ。本屋で買ってきたドローソフトとペイントソフトの基礎本を合間を見つけては読む。ソフトの名前だけは知っていたがどちらのソフトで何がどこまで出来るのか、具体的には何も知らなかったので、ひたすら読む。まず操作が簡単そうだったドローソフトの解説から読み始め、8割方読んだところで「やってみよう」とソフトを起動しようとする。が、解説を読んでいないくせにペイントソフトを先に起動して、あらかじめ読みこんでおいたぶーちゃんびんせんの絵に色をつけようとして主線より下に色をつける方法がわからず挫折。あきらめて当初の目的のドローソフトを起動。…実にインストールしてから5日後のことであった。

STEP3 ぶーちゃんを描く
 ドローソフトは絵を描いたり、レイアウトをするためのソフトだということが、この頃には私にもわかっていた。そこで簡単な絵を描いてみることにする。簡単な絵といえば「ぶーちゃん」かな、とペンツールでぶーちゃんを描きかけて…ここで早速カベにぶつかる。
 ペンツールはアンカーポイントだの方向線だのを描くことによってベジェ曲線と呼ばれる美しい曲線を自由自在に描画するツールなのだが…この方向線が初心者にはナゾである。方向線と実際にひける曲線の関係が感覚的にわかりづらい。なにしろ私が買った基礎本は懇切丁寧ではあるけれど、何故この作業をするか、どうしてこの位置に線を引くかなどの理由は一切書いてない。例えば「ヤシの木をベジェ曲線で描いてみましょう。・・・ここにアンカーポイントを作ります。・・・このあたりに方向線をこの方向に引きましょう・・・」などと図解入りで解説してあるのだ。じゃ、何でこのあたりにこの方向で方向線を引くの?といった疑問をさしはさむ余地はない。これでは見本と同じヤシの木は描けても他の絵が描けないやんけ!・・・ま、いろいろやってみろってことね。。。と、ぶーちゃんを描くためのアンカーポイントを決め、適当に方向線を引いてみる。。。

 あっという間に挫折。時間もなかったので「も、いいや。筆で描いちゃれ!」とブラシツールで描くことに…(汗)。ブラシツールはマウスでドラッグした範囲に線が描かれる、というアナログ人間にはとてもわかりやすいツールである。で、画面を見ながらじりじりとぶーちゃんの輪郭を描いていく・・・が、左半分はうまくいくのに、どうしても右半分が美しく出来ない。右下から上へ上がるラインがマウスで描くとガタガタになってしまうのだ。そこで左半分だけ描いて水平方向に反転コピーを使って合体させて本体完成。耳もその手で作り、楕円ツールで鼻を描き、目をポチポチ描いて完成。まずは保存。その後もっと遊んでやれ、とぶーちゃんの中をピンクのグラデーションにしようと思ったがやり方がわからず、とりあえず基本スウォッチ(パレットみたいなもの)の中にあったオレンジのグラデにする。・・・暑苦しい。そこで写真と合成しようと「応接間・フォト・ギャラリー」に展示していた「波涛」写真を開いて合成。

 反転コピーやら矢印やらいろいろいれて遊ぶ。今ならもう少し色々できるが、この時の知識ではこれが精一杯。しかもJPEGファイルにするつもりがうっかりGIFファイルにしてしまって効果を狙ったわけではないのに、背景写真に粒々効果が出る・・・。作っている最中に、おふざけでHPにUPしようかという気になり、短期限定ページ「燃えるぶーちゃん」として半月間だけ公開した。そうこうするうちにドローソフトの基礎本を読み終わりペイントソフトの基礎本へ突入。画像の加工、色塗りはこちらのソフトの領分だと知る(いや、名前からして塗るのはこっちだとは最初から思っていたけれど・・・)。

STEP4 透過GIFとGIFアニメ
 お絵描きソフトが手に入ったら是非やりたかったのが透過GIFとGIFアニメである。聞くところによると、ホームページソフトなんかでも出来るらしいがホームページソフトなんか持ってないし、買う気もないしねぇ。。。
 透過GIFとは、文字どおり、一部が透明になって下の色が透けて見えるようにしてある画像である。基本的に画像は四角い画面で描かれており、普通に表示すればという風にまわりの色がそのまま四角く表示される。このまわりの部分を透明にするからこのように絵の部分だけくりぬいて置いてあるように見えるわけなのだ。この透明にする方法が透過GIFなのである。
 透過GIFの出来なかった今までは周りの色をカベの色と同じにすることによって角の丸い画像もごまかしていたのである。しかし、これではカベの色を変えたとき、ボタンの周りだけ違う色になって大笑いなのだ。そこで透過GIFが出来るようになった今、まずは念願のボタン画像の改造に着手した。ついでなのでボタンらしい立体感も出そうと「ベベルとエンボス」という一発で立体感の出る便利な機能を使う。ああ、感動。ワンタッチで立体感が・・・。

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 これまで影の色とハイライトの色を作って地道に塗っていたのが嘘のよう・・・。
 この「ベベルとエンボス」機能や切りぬき・貼りつけを使って新作バナーも3つばかり作る。何しろ今までは画像の拡大・縮小が出来なかったのだ。表示サイズは変えれても実際のサイズは変わらない。従って苦労して絵を切り取っても・・・
がびょーん、サイズが違って乗せられないとか(しかもペイントでは2枚の画像を同時に開くことはできない・・・)、レイヤー機能がないので絵や字を置く位置を間違えたら背景ごと移動しなきゃならない、なんてことがなくなったのだ!
ということで調子に乗って色々作る。
 次にこれも憧れであったGIFアニメを作ろうとする。GIFアニメとは文字通りアニメーション。画像が動くやつだ。ペイントソフトに付属でついていたソフトがアニメーション用ソフトらしいと気づき、起動。「アニメーション」というパレットがあるので喜んで早速画像を開く…。が、そのあとのやり方がわからない。ヤマカンでボタンを押すが同じ画像が増えるばかりで、その画像をどうやったらいじれるのかわからない。付属ソフトだけあって基礎本にはその説明はない。確か前読んだHPの作り方の基礎本(例のタグでHPを作る作り方が解説してある本)には、画像を1つずつ作ってアニメーションソフトにぶちこむようなことが書いてあったのだが・・・。とにかくこれでは手も足も出ないので、また本を探そう、と何も出来ないままソフトを終了。
 ペイントソフトの基礎本は、写真の加工法とロゴの作り方がやたら載っていて、なげなわツールだの鉛筆ツールだのの解説が見事に欠落していたので(「これをやってみましょう」といった目的の作業の行程は大変丁寧に、ここまで書かんでもよかろうとばかりに解説してあるが、作業に関係ない話題には一切触れないのでこういうことになる)、その辺の使い方も調べにゃならん。描画ツールの使い方は特に私には必須である。ということで本屋へ行った際、もれなくツールの使い方が載ってそうな「パーフェクトマスター」たらいう本を買う。
・・・が、これにも付属ソフトの解説はなかったのでGIFアニメの作り方はわからず・・・。

STEP5 絵に色を塗る
 さて「パーフェクトマスター」も半分ほど読み終わり、描画ツールの使い方も範囲選択の仕方もチャンネルの使い方も一通り頭に入った頃、紫瀬さんがHPにイラストをUPした。我々の先陣を切って「主線のみの絵を読みこんで色を塗る」という、マンガ描き人憧れのあの技を習得したのだ!「パーフェクトマスター」にもその辺のやり方は載ってない。理屈はわかるのだ。主線以外を透明にして、そのレイヤーを一番上に持ってくればいいのだってことは。
ただどうやると主線以外を透明に出来るかが初心者には本を読まなきゃわからない。しかもこれについて書いてある本がなかなかないときた。

 そこでてっとり早く、紫瀬さんと会った時、どうやったか訊いてみた。彼女は本屋で立ち読みして覚えて帰ってやってみたと言った。彼女は「色調補正でモノクロ2階調にして、しきい値をいじって…」と色々言った。それをうろ覚えで帰った私はやってみた。結局どう透明にするかわからなかったので「白い部分を透明にすりゃいいのよ」と透過GIFにしてからRGBモードに直し色をつけるという暴挙に出た。


試し塗り第一作
 紫瀬さんに「二日酔い」と評されたほど顔色の悪い由魔。色を塗るのに手軽なサイズと白さだったので使用された。亜夢さんの絵なのに。。。(このあと、このみの色塗りの練習台にもこの由魔が使われた)。一応塗れたが、透過が甘かったので白い部分がポチポチ残っている。さらに、この時範囲指定すればそこだけフィルタやグラデがかけられるということを知らなかったので、コマ内だけグラデにするつもりが全面グラデをかけてしまったという・・・微笑ましい失敗作。
 さらに何日か後、「パーフェクトマスター」を読み終えた私は、さらなる知識を欲していた。作った色をパレットに入れる方法がわからなかったのだ。2冊読んだ本のどちらにもその方法は書かれていなかった。パレットの保存の仕方はわかる。それは本にも載っていたし、本を読まなくてもオプションメニューに項目があるのですぐわかった。が、肝心の作った色をパレットに入れる方法がわからんのでは、保存しても意味ないじゃんよ!というわけである。丁度この頃タイミングよくイベントがあった。岡山の市街地でイベントがある時、それは唯一私が市街地でお買い物のできる時。ということで、紀伊国屋で本を漁る。パレットに入れる方法とGIFアニメの作り方と、あわよくば、主線以外を透明にする方法の載っている本だ。紫瀬さんの指導のもと、主線以外を透明にする方法の載っている本を2冊発見。2冊とも違う方法が書いてある。一つは紫瀬さんがやったという「描画モード」を「乗算」にする方法。一つはチャンネルを利用して主線のみを選択、新規レイヤー上にコピーする方法。しかしこの方法、どちらの本も1ページの解説のみで終わっている。あまり詳しく載っていない。しかも違う本に私の知りたかったパレットに入れる方法とGIFアニメの作り方の両方が載っているのを発見。したがって主線以外を透明にする方法は覚えて帰ることにして、GIFアニメの作り方などが載っている本を買う。
 翌日、記憶が薄れないうちに、と「乗算」で塗ってみる。
←試し塗り第二作
 肌色をまたしても作らず基本パレットの色から選んで塗ったので色黒氷月くんに・・・。アニメセルを見ているような色塗りになってしまった。しかも「乗算」とはどういう状態か失念して(ちゃんと「パーフェクトマスター」に「乗算」の仕組みは載ってたのに。。。読んで知ってたのに。。。)主線レイヤーに消しゴムをかけてしまったのでフキ出し部分に変な色をつけてしまう。ま、試しだからいいや、と直さずにそのまま。そのあと「ぶーちゃんびんせん」の絵を塗るときにはこの失敗を繰り返さないよう気をつけ、肌色もちゃんと作って塗ったので、自分が本来色を塗る時の仕上がりとほとんど同じ感じになって大満足(この絵は隠し棚にあり)。
 次に主線のコピーでもやってみる。

←フィルタやレイヤー効果も使わにゃパソで塗ったかいがない気がしてがむばる。ちなみにこの絵は主線がブルーと紺のグラデ。
「乗算」の性質上、主線の色を背景色より薄くしちゃうと主線が見えなくなる可能性ありなので、主線の色で遊びたい時はこっちの方法がいいなあ、と思う。その辺の手順etc.をまとめてレポートにしてPROMIメンバーでお絵描きソフトを使ってる連中へ送付。やり方を忘れたらこのレポートを見るのだ。

STEP6 今度こそGIFアニメ
 買った本を前から順に読んでいき、ついにGIFアニメの作り方へ到達した。そして感動する。レイヤーがあるからレイヤーの表示切替でアニメになっちゃうのだ!あっという間にアニメの作り方はわかった。こんな簡単なことだったとは・・・。ということで前から作りたかったやつを作る。
「居間」etc.で使う。うりゃうりゃした星の動きが鬱陶しくて良。
「間取り」のプレゼント部分で使用。以前フリー素材ものを使っていたが、差し替え。
「煩悩せつら部屋」で時々使用。読書中の本につく。
最新更新モノにつく。以前使っていたフリー素材ものと差し替え。フリー素材の方が綺麗だったが、横幅が広すぎたので。
 。。。しかし小さいのが多くて原画を作るのが大変であったのことよ。今のところの唯一の大物が「茶の間」のお茶飲みせっちゃん。原画をつくるのも一番大変だった。。。マウスで輪郭線描くのが。。。

 その後、ドローソフトでチラシのレイアウトも出来るようになった。ペイントソフトではCDのレーベル(ケースに入れる方ね)も作りまくって遊びまくる楽しい日々だ(この辺、HPには関係ないが)。
テクスチャ(カンバス)・ノイズ・ピローエンボス・シャドウ(内側)

境界線・色調補正・ベベル(外側)・グラデ
グラデ・ベベル(内側)・光彩(外側)
逆光・テクスチャ(クラッキング)・照明効果(スポットライト)・境界線・ぼかし(ガウス)・ドロップシャドウ
 他にも押し出し・シアー・ジグザグ・ガラス等を使ったのも作ったりして・・・フィルタ効果の大実験場と化しているCDレーベル製作(汗)。


 こうしてセンスは悪くても日々着々と「すばる館」はハイテク館と化しつつあるのであった。今後の更なる発展を見守って頂きたい。



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