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呪いの右手

 私の右手は呪われている。いや、脳みそごと呪われているといった方が正しいかもしれない。その呪いとは絵が「丸くなる病」「細くなる病」が数年周期で訪れるというものだ。グラフにするとこんな感じ。 

美しきサインカーブ。

 「細くなる病」が極まった時の私のキャラの顔は限りなく細くとがり、「丸くなる病」が極まったときはコロッコロの丸顔になる。同一キャラを描いているつもりでも、「細くなる病」と「丸くなる病」の頂点で描いたやつはほとんど別人のようになる・・・。

「凍える街」手直し版より。同一人物なのよ。しかも体重が変わってるわけでもないのよ。

 このような文を書いているということは症状を自覚しているのである。でも治らない。なぜなら脳みそも侵されているからだと思う。例えば「丸くなる病」の時、本人は丸い顔を描いているつもりはないのである。「美形を描く」という(美形でない時も多々あるが)信念のもと、「これが美形だぞ」という顔を目指す。そして途中も出来あがりも丸顔には見えない。が、「細くなる病」モードに入った頃、突如「丸すぎた!」という事実に気づくのであった。。。これは「細くなる病」においても同じ。いつ見直しても満足のいく顔というものはそうそう描けないものである。ごくたまに「丸くなる病」の真っ最中においても「丸い!」と気がつくときがある。これは脳みそがそう認識できたわけで素晴らしいことである。ところがその絵を直そうとしても直らない。右手が思うように動かない。描いても描いても丸くなるのだ。あああ。。。そしてついには妥協せざるを得なくなるのだ。だって描けないんだもん。
 呪いの原因はわかっている。私は最初手塚治虫の絵の真似っこから入った。しかも小さい時は丸顔しか描けなかった。だから私の絵の基本は丸顔である。しかし丸顔には欠点がある。大人を描いても下手したら子供にしか見えないという欠点が・・・(下手なだけじゃん、という指摘はこのさい置いといて)。さて、中学時代、私は松本零士にはまった。メーテルなんか当然細顔である。ということで細顔を特訓した。すると丸顔まで細くなってしまった。これが呪いの始まりである・・・。
 合作などで長丁場の原稿をやっている時はかなりムナシイ。1年前に描いた下描きが戻ってきたりすると、当然丸すぎるか細すぎるかで描きなおしである。下描きでなくても、ペン入れから仕上げまであまりに間が開くと切り貼ってしまう。なんて時間と画材の無駄をしているのだろう。・・・でも仕方ないのだ。呪われているんだから。


印刷所色々

 HPを作って以来、ちょっとしたカットを描く機会が増えた。最初はポストカード用の紙に描いていた。ところがこんないい紙を使うのはもったいないような絵も多々描くことが増えてきた。そこで、カットを描くのにいい紙はないかしらん、と探すと、一時期イベントへ行くたびにチラシと一緒に配られたフルカラー専用原稿用紙というのがいっぱい出てきたのである。中には良さそうな紙もあるが、「どうせこんな紙にカラーを描くわけないじゃん」と思ってしまうような紙もたくさんあったので、こいつをポストカードサイズ、又はもっと小さく切り、日々使い倒している私である。しかし、タダでこういうものを配るのはいかがなものか。タダで配るから安い紙なのは仕方ない気もするが、こんな紙ではまともなフルカラーが描けるとは思えない。汚い原稿なら印刷の仕上がりも汚くなるだろう。すると印刷所の腕のせいにされて評判を落とすのでは・・・と、わりとどうでもいいことを心配せずにはいられないのであった。(最近では同じことを思ったのかわりといい紙を配っているところもある。でもめったに配ること自体をしなくなったのね。)フルカラー原稿用紙といえばもう一つ。某印刷所が配っていたやつは、裏がチラシ代わりとなっている大胆なもの。つまり表はフルカラー用原稿用紙、裏はフルカラーフェアのチラシ、というめちゃくちゃなワザを使っていた。さすがに厚手の紙が使ってあったが、裏の印刷が透けて見えるやんけ。こんな紙を使ってフルカラー印刷したら、仕上がりに透けたのが写っちゃうんじゃあ・・・(汗)。もっともそこの印刷所を私は信用していない。何しろ、ここともう一軒、アヤシゲな印刷所があって、どっちがどっちだか忘れたが、どちらかの印刷所にまつわる話を一発致しましょう。そこで印刷された某イベントのパンフを見ていたら、当然自社宣伝のページが入っているのだが、そのページに限り、断裁で字が切れていたのだ。つまりどういうことかというと、内枠からはみ出た場所にいっぱい字を書いていたので、ことごとく字が切れていて読めない箇所がいっぱい!

こんな感じで字が切れていた。しかも・・・四方八方に字を入れるな。読みづらい。この絵を書いた紙が丁度問題の、裏に印刷のある原稿用紙。しかも赤丸の中は・・・印刷の汚れだ!糸くずのような汚れが印刷されておる!フルカラーだとうかつにホワイト修正も出来ないのに!!

 素人の私だって長年同人誌をやってりゃ、内枠の外○ミリあたりまでは安全地帯で○ミリより外は危険、ぐらいは知っている。なのに、印刷屋が,自社で作った原稿で、しかも自分で印刷製本しておいてこのていたらく。しばらく開いた口がふさがりませんでしたぞい。しかもイベントスタッフ側が作ったページは問題ないのだ(笑)。
 以前知り合いに聞いた話では、やはりこのどちらかの印刷屋で同人誌を刷ったらば、内枠が歪みまくっていたそうだ。

こんな感じで歪んでおったらしい。こりゃひどい。
プロの仕事じゃない。

 これは面付けの問題である。印刷所の印刷過程で生じている問題なのだ。さすがにひどいので、その知り合いは文句をつけた。誠意ある印刷所なら、自社に非があるのだから無料で刷り直すのがスジであろう。(もっとも誠意あるところなら、最初からこんなひどい面付けはしない)。ところが、彼女の文句に対し、その印刷所の返答はこうだった。「うちは印刷のプロですから、素人のあなたに文句いわれる筋合いはございません」・・・・・・・・・・・。又聞きだからニュアンスはかなり変わっているかもしれない。でもせめて印刷し直せよ。大損害なのはわかるけど。素人っていっても、その知り合いも10年以上同人誌をやっているのだ。私なんぞは保守派で印刷所はめったに変えないが、彼女はいろんな印刷所を渡り歩いている様子。するとこういう目によくあうらしい。全く色んな印刷所があるものである。皆さんも同人誌を印刷の際は十分お気をつけあれ。


フルカラーの悲劇

 同人誌野郎にとって、おそらくフルカラー印刷というのはガンである。お安い印刷できれいな仕上がりを望むのだから仕方あるまいが、必死で仕上げたカラーが思いもよらぬ出来になってきたりする。PROMI内ではこのみの描いた「SpaceOdyssey13」の表紙など、最早伝説でさえある。彼女は色白の女性を描こうと思った。そのため、使ったことのなかったカラーインクを私から借りた。仕上がりはとても色白の女性だった。美しかった。彼女も満足の出来だった。が、印刷から仕上がってくると。。。なんと色白のはずの表紙の彼女はみかんを食べ過ぎた女性に変身していたのだ・・・!なんという衝撃。この絵はすばるが原画を持っていないため、お見せできないが、下にすばる画のフルカラーを3種載せてみた。見比べて頂きたい。

 解説致しましょう。一番上が「DARK SIDE BLUES」(発行:PROMINENCE 昴鈴&星弥裕美の「魔界都市ブルース」本)表紙の一部。真中が「四界創世記3」(発行:運命の女神)の裏表紙の一部。下が「SpaceOdyssey15」(PROMINENCE会誌)の裏表紙の一部です。左が完成品(つまり印刷されたもの)。右が原画でございます。
 やはり顕著な違いは肌の色に一番表れております。「DARK〜」は色白キャラなので、色白に塗ったのに、日焼けした人になってしまいました〜(泣)。ただ、この表紙は「きぬもみ」という真っ白でない紙に印刷したので、多少そのせいもある・・・かも。でも明らかにそれだけではないでしょう。「四界3」はみかんをやや食べ過ぎた人になっております。バックの緑も大分色が違いますね。ブルーグリーン系も再現の難しい色なのでしょう。「スペオデ15」は成功例です。4色分解でここまで再現できればすばらしい。それでもやや違うのは致し方のないところ。ちなみにこの3種の中では「四界3」のみ5色分解です。
 なお、それぞれの画像をクリックすると、より大きな画像が鑑賞出来るようになっております。
 蛇足ながらここにあげた各本の詳しい内容紹介&通販方法はPROMINENCEのHPの「products」のページにあります。そちらをご覧ください。
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ディスク増設哀話

 この文章はのHPの「freetalk」のページ「つれづれ日記」にあります。そちらをご覧ください。
前編・後編・完結編とあります。
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